
派遣薬剤師として様々な薬局で働いていると、在宅医療に力を入れている薬局へ行くことがあります。
私は現在、在宅をメインに行う薬局でも働いているので、在宅業務自体には慣れています。
しかしそんな私でも、初めて行く在宅特化薬局では戸惑うことが沢山あります。
外来中心の薬局とは違い、在宅には「その薬局だけのルール」が本当に多いのです。
長年勤めている社員さんにとっては当たり前。
でも派遣薬剤師にとっては、その「当たり前」が分からない。
今回は、派遣薬剤師として実際に感じた「在宅特化薬局で困ること」をまとめてみました。
在宅経験のある方なら、「あるある!」と共感していただけるかもしれません^ ^
ローカルルールが多すぎる
まず最初に驚くのが、ローカルルールの多さです。
施設ごと。
患者さんごと。
担当医ごと。
薬局ごと。
本当に細かい決まりがあります。
例えば、
「この施設は下剤を一番上にする。」
「この患者さんは必ず別袋。」
「この先生の処方はこの薬だけ先発。」
社員さん同士では当たり前に共有されていることでも、派遣薬剤師には初耳です(笑)。
もちろんメモを取りながら覚えますが、一日で全部覚えるのはなかなか大変。
在宅は知識だけではなく、その薬局独自の文化を覚えることも仕事だなと感じます。
施設ごとにセット方法が全部違う
これも在宅あるあるですw
一包化した薬の並べ方。
ホチキスを留める位置。
輪ゴムの色。
薬袋の向き。
配薬カレンダーへの入れ方。
どれ一つ取っても施設によって違います。
「全部同じじゃないんだ!」
と最初は驚きました。
社員さんからすると何年も続けてきたルールなので自然にできるのですが、派遣薬剤師は毎回ゼロから覚えなければなりません。
ほんの少し違うだけでも、施設では大切な決まりだったりします。
だからこそ、一つひとつ確認しながら進めることが大切ですよね。
患者さんの背景情報がとにかく多い
外来では処方箋を見て投薬することが中心ですが、在宅ではそれだけでは足りません。
例えば、
「娘さんが夕方に取りに来ます。」
「訪問看護師さんに必ず伝えてください。」
「この患者さんは冷蔵庫ではなく居間に置いてください。」
「残薬が多いので今回は調整してください。」
こうした情報は、カルテだけでは分からないこともあります。
社員さん同士では自然に共有されていますが、派遣薬剤師にとっては初めて聞くことばかり。
患者さん一人ひとりに生活があり、それに合わせて薬を届けている。
在宅医療の奥深さを感じる瞬間でもあります。
急な処方変更や予定変更が多い
在宅は本当に動きが早いです。
午前中にセットが終わったと思ったら、
「先生から処方変更入りました!」
「今日退院が決まりました!14時までに来て下さい!」
「今から施設へ届けてもらえますか?」
そんなことも珍しくありません。
外来ではあまり経験しないスピード感があります。
最初は驚きましたが、患者さんの体調は毎日変わるもの。
在宅では、その変化に合わせて柔軟に対応することが求められます。
だからこそ、チーム全員で情報を共有しながら動くことがとても大切だと感じています。
在宅ならではの専門用語や略語が飛び交う
これも最初は戸惑いましたw
「施設分できた?」
「カレンダー交換お願い。」
「残薬調整済み?」
「居宅は午後便ね。」
「この人は定配だから。」
社員さん同士では当たり前に使っている言葉でも、派遣薬剤師にとっては「えっ、それってどういう意味?」となることがあります。
さらに薬局独自の略語まであると、頭の中は大混乱w
でも一つずつ意味が分かってくると、在宅医療全体の流れも見えてきます。
最初は分からなくて当然。
だからこそ、分からないことは遠慮せず聞く勇気も大切だと思っています。
おわりに
在宅特化薬局は、単発や新規の派遣薬剤師にとって決して簡単な現場ではありません。
ローカルルール。
施設ごとの違い。
患者さんごとの背景。
急な変更。
覚えることは本当にたくさんあります。
それでも私が在宅を好きな理由は、患者さん一人ひとりの生活に寄り添える医療だからです。
そして、どんなにルールが多い薬局でも、
「分からなかったら聞いてくださいね^ ^」
そう声を掛けてもらえるだけで、不思議なくらい安心して働くことができます。
在宅医療は、一人では成り立ちません。
薬剤師、事務さん、訪問看護師さん、ケアマネジャーさん、医師、そして施設スタッフさん。
たくさんの人が協力して、一人の患者さんを支えています。
だからこそ派遣薬剤師であっても、「一緒に患者さんのために頑張りましょう」と迎えてくれる薬局に出会うと、本当に嬉しくなります。
困ることは沢山あります。
でも、それ以上に学べることも沢山!
これからも一つひとつ経験を積みながら、患者さんの力になれる薬剤師を目指していきたいと思います。